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*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

ティム・アダムズ財務次官(国際金融担当)の報道記者との懇談

2005年8月30日

在日米国大使館

司会者 皆さん、こんにちは。ご存じのとおり、こちらは財務次官のティム・アダムズ氏です。この懇談はオンレコで行います。ティムさんの簡単な冒頭発言の後、質疑応答に入ります。質問をされる方は、まずお名前と所属をおっしゃってください。ありがとうございます。

アダムズ財務次官 ありがとうございます。今回は、公務で東京を訪れることができ、大変うれしく思います。私は、この10年間、2つの立場で日本を定期的に訪問してきましたが、東京を訪れ、旧友と再会するのは常にうれしいことです。今回、私が公務で日本を訪れているのは、世界経済における日本の重要性が極めて高いため、また日米両国間には強力かつ長期的な関係があるため、そして米国政府と日本政府との間には優れた経済的対話と関係が存在するためです。今回私が日本に到着してから、まだ24時間もたっていませんが、すでに明るい経済ニュースを聞いて大変心強く思っています。そして、長く困難な時期の後に、日本の消費と投資が大きく伸び、バランスシートが健全化され、不良債権が大幅に減少し、銀行制度と民間部門が強化されて、日本経済がしっかりした基盤の上にあると思われることを示す経済データや専門家の評価に、大きな感銘を受けています。私は、こうしたニュースを、本当に心強く思います。前途に困難が待っていることは明らかです。どの国の経済も困難に直面していますが、私はここで見聞きしたことに感銘を受けています。それでは、私の話は以上にして、ご質問を受けたいと思います。

 時事通信の松田英明と申します。次官は今週中国を訪問されるご予定なので、中国の通貨についてお聞きしたいと思います。米国の一部の議員や、全米製造業者協会などの業界団体は、中国の中央銀行による2%の平価切り上げに満足していないようです。中国の中央銀行総裁は昨日、「フィナンシャル・タイムズ」紙で、先月の中央銀行の動きは1回限りの調整ではない、と述べていますが、中国の指導者が来月米国を訪れる前に、あるいは10月に発表される財務省の年2回の通貨レポートの発行時に米国で開催される国際金融会議の前に、中国政府が人民元を再切り上げすると予想されますか。

アダムズ そのご質問には、2つの点からお答えしたいと思います。ひとつは、今私は東京を訪れており、日本のことに集中しています。たまたま20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)の開催される中国へ向かうことになっていますが、私が日本を訪れ、日本に集中することは、非常に重要です。ですから、中国のことより、日本についてお話をし、ご質問にお答えしたいと思っています。しかし、中国について簡単に申し上げておきます。私たちは、切り離しと中国の為替相場制度改革を歓迎しています。私たちは、さらに調整が行われる・・・さらに自由化が行われるという、周総裁をはじめとする関係者の言葉を信じています。私は総裁の昨日のコメントを称賛しており、私たちは今後もしっかりと状況を見つめていきます。次のご質問をどうぞ。

 NHKの飯田香織と申します。ワシントンDC特派員です。今の質問に関連してお聞きします。この問題について日本では大変に関心が深いからです。私は、スノー長官が、中国政府の動きは重要である、と述べられたのを覚えていますが、7月21日の中国政府の行動は、フォレックス・レポートに記載されるだけの重要性があるとお考えになりますか。

アダムズ 私は、フォレックス・リポートを先取りするつもりはありません。レポートは、まだ作成されていませんが、10年目の為替相場制度の変更、制度の改革は、それ自体、重要な出来事であると思います。しかし、その改革には、中国が目標として掲げている完全変動相場制を目指す中で、今後さらに自由化が行われる、という推定があります。次のご質問をどうぞ。

 では、それは重要であるということですか。

アダムズ 今お答えしたとおりです。次のご質問をどうぞ。 

 ウォールストリート・ジャーナルの林です。今回の日本訪問の目的と、日本で誰とお会いになるのか、またそうした人たちと何を話し合われるのかを、簡単にお話しいただけますか。

アダムズ 繰り返しますが、米国は日本との間に、極めて強力な2国間関係を持っています。これは、長期にわたる関係です。東京は、重要な金融の中心都市であり、日本は世界第2の経済大国です。日本は、私が頻繁に訪れることになると思いますし、今後このような機会が増えることを期待しています。今回は、財務省の方々と会見します。また、日本銀行の幹部や金融会社のエコノミストの方々とお会いし、そして、先ほど触れたように、東京でさまざまな仕事をしている旧友たちに再会する予定です。その一部は公式な会談ですが、一部は、単に日本経済の現状を知るための話し合いです。しばらく前から、経済紙では、日本経済の見通しが改善されている、と報道されています。予測の多くが上方修正されており、私は、日本を訪れて直接話を聞き、実状を自分の目で見ることが重要である、と考えました。そして私は、この目で見た実状に勇気付けられています。私は、12年間にわたって日本の経済を追跡してきましたが、皆さんの方が私よりよくご存じのように、1990年代は困難な時期でした。過去の困難な時期を考慮すると、現在の日本経済がはるかに改善されていることをうれしく思います。

質問 フィナンシャル・タイムズの中本です。米国政府と日本政府の間に非常に良好な関係があることに触れられましたが、現時点で取り上げたい未解決の課題、日本の財務省関係者との話し合いで取り上げたいとお考えになる課題はありますか。

アダムズ 私たちは常に話し合いを行っている、ということを申し上げておきます。相手国を訪問するまで話し合いを行わないわけではありません。事実、今も話し合いが継続していると言えます。しかし、話し合うべき課題には、G7各国の経済状況、世界の不均衡、国際金融機関の改革など、さまざまなものがあります。無数の課題がありますが、私たちはそのひとつひとつを取り上げます。

 特に今、差し迫った問題はありますか。

アダムズ 差し迫った問題は常に存在します。米国の住宅市場の展望、石油価格が米国経済に及ぼす影響の予測などについて、数々の質問が出されています。私も、ここで同様の質問をして、労働市場の状況、消費者需要の水準、企業投資の規模、バランスシートの現状、銀行の収益性などの実態を、より正確に知ろうとしています。私たちは、非常に短い期間に、多くの課題を追究しています。

 日本側の関係者と米国の住宅市場について話し合われるということですが、日本側にどのような説明をされますか。ジャクソン・ホール会議では連邦準備制度理事会議長が、米国の住宅市場の沈静化が不可避であることを指摘しました。次官はどのように説明されますか。

アダムズ 私は、彼の言ったことをすべて支持します。私は、先週旅行中だったため、その具体的なコメントは読んでいませんが、市場が多少バブル気味ではあるが、全国的なバブルではなく、より地域的・局部的なものであり、市場は機能して、いずれ圧迫が緩和され、市場が混乱する可能性は低い、というのが議長の考えであると思います。しかし、いろいろなことを心配するのが私の仕事であり、私は議長の考えは正しいと思いますが、私たちは常に、より困難な状況の可能性に備えた計画を立てなければなりません。

 ブルームバーグニュースのクリス・クーパーです。最近、各国の中央銀行が、保有資産を米ドルからユーロやその他の通貨に多様化していることが話題になっています。日本は米財務省短期証券の最大の保有国ですが、その危険があるとお考えになりますか。日本が保有資産を多様化させる危険がありますか。

アダムズ それは、私たちが監視の対象としていることですが、現在の米国の国債市場は、知られる限り最も広く深い市場であると思います。それは1日5000億ドルの市場であり、今後起こる可能性のある再調整を吸収するだけの深く広い市場であると思います。

 日本の共同通信社の平野功です。日本経済の回復について、満足されているというお話でしたが、経済の回復に伴い、日本銀行が超金融緩和政策を是正すべきではないかということが言われ続けています。米国の見解では、日銀がいつその方針を変更する可能性があるのか、ご意見をお聞かせください。

アダムズ 私は、一種の方針として、金融政策についてのコメントは控えることにしていますが、私たちと日銀との間では良好な会話が行われ、日銀には強力なリーダーシップがあり、日銀は最終的には成長を維持するために適切な措置をとることになる、と思います。

 石油価格について触れられましたが、これが、3週間後に開催されるG7会議で、どの程度大きな課題となるのか、また、そのほかにワシントンでどのような課題が話し合われることになると予想されますか。

アダムズ 最近のG7会議と同様、次回のG7会議でも石油価格が議題となることは確実です。従って、私がまもなく向かう予定のG20会議でも議題に取り上げられるのではないかと思います。もうひとつの主要な課題は、グレンイーグルズでの決断を実行することです。グレンイーグルズでは、各国首脳が、多くの開発途上国の債務免除を指示しましたが、私たちは、国際通貨基金(IMF)や世界銀行と密接に協力して、それを実行しようとしています。私は、その作業を完了し、各国首脳の指示を実行しようとしているところです。

 その際に中国の通貨が課題となると思われますか。

アダムズ こうした交渉や会議では、常に、世界の不均衡やその他各種の経済関連の話題とともに、通貨全般が話題になると思います。従って、中国の通貨も課題となると思います。

 本日、インドネシアの中央銀行が、ルピアの下落を抑制するために金利を引き上げました。インドネシアでは現在、物価の上昇により財政が大きな困難に直面しています。

アダムズ 私たちは、この状況を慎重に監視しています。インドネシアは、1997年以来、大きく前進しており、今日の状況は、当時の状況とはかなり違うと思います。私のコメントはそれだけにしておきます。

司会者 もうひとつ最後の質問を受ける時間があると思います。

 日経新聞の赤川です。日本の選挙をどのように予想されますか。

アダムズ 有権者は、最も適した人を選ぶでしょう。

司会者 もうひとつだけ時間があるかもしれません。

 冒頭で、日本経済の現状を心強く思う、と述べられましたが、特にどの分野が好調であると思われますか。またどの分野で改善が望まれますか。

アダムズ 労働市場が強化されているのは望ましいことです。私の日本の友人たちが職を得ることができ、所得水準の向上によって彼らの給料が増え、私にディナーを外でごちそうしてくれることができるからです。確かに、多くの課題があり、その多くは、長期的な構造的課題であり、日本だけでなく工業国全般に存在する課題です。それは、高齢化する人口と、約束された医療と年金の費用をどのように賄うのか、という問題です。将来の成長を抑制したり、将来の労働者に負担をかけたりせずに、それを実現するには、どうすればよいのか。これは、今後の日本の課題ですが、米国の課題でもあります。西欧諸国の課題でもあります。これらの諸国は皆、人口が急速に高齢化しています。本日の新聞によると、2025年までには、日本の人口の20%が75歳を超えるそうです。これはおそらく、医療、支出、その他の経済動向、経済パターンに、私たちの理解を超える影響を及ぼすことになるでしょう。従って、長期的な課題がありますが、景気循環のニュースの好転の最も好ましい点は、周期的な課題のいくつかを乗り越えることができれば、長期的な構造的課題に集中して取り組むことができる、という点です。米国では、明らかにそうした状況が見られ、大統領は、社会保障改革と医療改革に重点的に取り組んでいます。数週間以内には、税制調査会がいくつかの提案について報告します。ですから、これは日本にとって、また米国にとって、長期的な構造的課題に取り組む機会となります。

司会者 ありがとうございました。

アダムズ どうもありがとうございました。